13世紀〜14世紀に普及したイスラム教
シェイク・カリマル・マクドゥムモスクは、14世紀にミンダナオ島のシムヌルに建立された国内初のモスクであった。その後、マレーシアやインドネシアを訪れたアラブ系宣教者が定住することで、イスラム教が一層広まってゆく。初のイスラム王国であるスールー王国が誕生したのはこの時期のことである。その他マギンダナオ王国、ラナオ王国がイスラム教国として殷賑を極めた。15世紀までには北部のルソン島や南部のミンダナオ島の半分がボルネオ島の歴代スルターンの支配下に入り、ミンダナオ島民のほとんどがイスラム教に改宗することとなる。
その後、1521年マゼランが上陸し、スペイン主権を認めるよう、首長ラプ-ラプへ迫るも、暗殺される。(ラプラプは現在でも民族的英雄)1542年には、ビラロボスが率いる、スペインの遠征隊がサマール島とレイテ島に到着し、そしてこれら諸島をフェリペ皇太子(後のフェリペ2世)にちなんで、フィリピン諸島と名づける。 1565年には、レガスピの遠征隊が、セブ島に到着し占領、スペインによる植民地が確立します。レガスピは、諸島に対して、スペインの影響力を拡大していき、1571年にマニラを占領し、統治の中心として中央広場や政庁と大聖堂等、マニラ市を建設しました。人の到来以前から、マニラ周辺の地域には、マレー人の集落があり、中国人などがさかんに来航して交易を行い栄えていました。1572年には、イスラム教のスールー諸島を除いて、全フィリピンがスペインの支配下になります。
こう歴史の順序を追って記述していくと、面白いのは実はカトリックより以前に根付いていた宗教は、イスラム教であったといっても過言ではないでしょう。厳密にいうと、イスラム教以外にも、仏教、ヒンドゥー教、アニメズム等もあり、他宗教であったとの資料も見て取れます。
つまり、現在も続く、ミンダナオ島での宗教間紛争には根っこは非常に深い歴史があったわけです。さらに言えば、現在フィリピン政府と中国政府との関係性は、良くないですが、スペイン占領以前より、イスラム、中国との交易は盛んに行われており、現在でも経済的には中国との結びつきは非常に強い国家です。

